revenge 【復讐】
◇
――始まりは唐突に。
瑛美里「次の試験は――実力考査とする」
それはいつもの瑛美里のきまぐれ。
瑛美里「進級したくば――」
しかしその実は、
瑛美里「戦って戦って戦い抜いて、そして最後にこの私を倒せ」
復讐。
――リヴェンジ――
虎太朗&愛紗『はあああっ!?』
◇
グラウンド上空に浮かぶまおみの姿。
まおみ「ルールを説明するの」
まおみが指を鳴らすと、光のヴェールがグラウンドを包む。
それはまるでホログラフのように。
光の文字で書かれたルール。
そのひとつひとつを読み上げ、最後にこう締めくくった。
まおみ「かんたんな話なの。戦って、最後に勝ち抜いたひとりが――」
瑛美里「――この私と戦う。それだけだ」
◇
――襲い来る学園長の刺客。
◇
ざりっ、と砂を踏みしめる音に振り向けば、そこには鉄心の姿があった。
どこか物憂げな、微妙そうな表情。
鉄心「お前か……だが手加減は無しだ」
鉄心「この先は俺を倒してからだな」
両手にはいつもの包丁――ではなくサバイバルナイフ。
持ち手は逆手。
鉄心「まさかまたこの相棒を握る時がくるとはなぁ……」
虎太朗「シェフ!!」
◇
腰を降ろし深く息をつく鉄心。
その表情は、
鉄心「俺の負けだ――行け」
愛紗「シェフ……私……」
鉄心「男に二言はねえ。ただな――」
虎太朗「ただ?」
鉄心「勝てよ」
晴れ晴れとしていた。
◇
仲間の――裏切り。
◇
かれん「コタくん……♪」
レロ、と小さな舌先で無骨なサバイバルナイフの刃を舐めるかれん。
その刀身は赤黒く濡れ光っている。
虎太朗「かれん……ちゃん……? その、サバイバルナイフは……」
かれん「これですかぁ? うふふ、すごいでしょ、強そうでしょ? どうですぅ?」
愛紗「……まさか……かれんちゃん……シェフを、シェフを……」
かれん「えへへ……仕方ないんですよぉ……だって、親方ったら強情で……」
虎太朗「かれんちゃん! もうやめろ!!」
かれん「コタくんもそんなこと言うんですかぁ? ……仕方ないですぅ」
サバイバルナイフを器用に手元で回す。
――チャキン。
鉄が奏でる冷たい音。
それは――死を運ぶ声。
かれん「――死んでください」
◇
倒れる仲間たち。
◇
羽衣「吹き荒れろ、黒き嵐雪!! 黒技『裏雪月花』!!!」
黒い疾風と化した羽衣がかれんに迫る――が、
かれん「その技は……もう覚えましたぁ♪」
刹那の見切り。
閃く白銀。
羽衣「――がっ!?」
散る鮮血。
ゆっくりと、まるでスローモーションビデオを見ているかのように、羽衣の体が崩れ落ちる。
虎太朗「会長!!」
◇
重なる犠牲。
◇
千晶「へへ……捉えたぜ?」
かれん「は、離してくださいぃ!!」
千晶「やだね。ここで一緒に――死ぬんだ」
かれん「はなせ、はなせええぇ!!」
千晶「じゃあな虎太朗! あばよ!!」
虎太朗「止めろ、千晶、うわああああああっ!!」
◇
そして――、
◇
満月の下、頬を寄せ合うふたり。
愛紗「ねえ虎太朗」
虎太朗「……ん?」
愛紗「最後まで私達、お互いを信じあいましょ? ね?」
虎太朗「当たり前じゃないか」
愛紗「最後まで……私を信じててね?」
虎太朗「……うん?」
◇
辿り着く――、
◇
膝をつく瑛美里。
その傍らに立つのは――虎太朗と愛紗。
勝ったのは、
瑛美里「……フフ、この私を倒すか……」
虎太朗「これで……これで俺達は……!!」
虎太朗と愛紗、だった。
ゆっくりとかぶりを振る英美利。
もはや観念したのかたいした抵抗のそぶりも見せない。
瑛美里「ああ。だがその前に――」
???「その前に、ですね。学園長、おつかれさまでした」
その声は唐突に。
ゆっくりと、闇から絶望が染み出すように。
いつからそこにいたのか。
始めからそこにいたのか。
物陰から現れたのは――、
瑛美里「……チッ。用済みになった瞬間に……か」
???「はい。もうご退場下さい♪」
◇
真実。
◇
虎太朗「……嘘だろ? どうして、どうして……」
愛紗「何があったの? なんでこんな事を……!?」
???「それは――」
◇
reonが送る壮大なアクションドラマ!
あの「愛サレるームメイト」が装いも新たに、帰ってくる!
構想15年、製作期間8年!
恐ろしいまでの感動が、今ここに!!
◇
百々花「――復讐、ですよ♪」
◇
キミは、この復讐に打ち勝つ事が出来るだろうか――。
◇
振り返る愛紗。
その頬には、決断の涙が。
愛紗「――私を信じていてね、虎太朗」
◇
20XX年、発売。
4月1日、今日はエイプリルフールです。PR